2007年雪上訓練＠谷川岳 西黒尾根の巻

谷川岳　雪上訓練

２００７年１２月１５(土)　

１日目 土合口→西黒尾根→肩の小屋付近で幕営→天神尾根→熊穴沢小屋で幕営
　

■前夜

水上ICの手前、どのあたりからかな・・・雪が100キロを越える車の窓を忙しなく打ってきた。

高速道路を走っていると、長く伸びる道路とそれに沿うようにたてられた側壁によって周辺の景色の一部は否応なく欠落してしまうが、夜という闇と、雪という幕が、その人工物と景色の境目をうまーく溶かしてしまう。
いったい私はどこにいるんだろう・・・なんて思えてしまう。

今晩は谷川岳ロープウェイ土合口駅の６階で寝る。
ここは深夜でも床暖房がされているのでヌクヌクと眠れるが、場所によって床暖房の温度に差があることが判明。
券売機側は温度が低く、お土産コーナーに行くに連れて温度は高くなる。
このことは周知の事らしく、私が寝る頃は既に券売機側にしか寝るスペースがなかった。

着いた早々、宴会を始めるのではなく、まず場所取りしなくては・・・
勉強させていただきました。

■思ったよりもいい感じ

予想では、この週末は天気は芳しくなさそう。
しかし、朝起きると雪は降っているが、天気はまずまず。
時折、薄日も差している。

朝食を採り、身支度を整える。

共装の割り当てのジャンケンで惨敗・・・
っとはいっても、特に重いのは屈強な男性陣が担当してくれているから、負けても　｢アハハ、やっぱりジャンケン弱いな～｣なーんてノンキに笑っていられるから幸せである。

■いざ、西黒へ

ロープウェイ駅を出発。
林道を少し登ると、左手に西黒尾根への分岐がある。
そこからいきなりジグザグの急登が始まる。
先頭の部長さんの後に続こうとするが、少しづつ離されてしまう。
ここで頑張りすぎちゃうと、後にひびいてしまうので、自分のペースを守りながら歩く事とする。

鉄塔で１本。
空から舞い落ちた粉雪が日に照らされてキラキラ光って美しい。

ダイヤモンドダスト

ではないらしい。

｢この程度の気温じゃダイヤモンドダストなんて見れないよ｣なんてＫさんに笑われてしまう。
笑われた私も苦笑い・・・

先発していたＢ山岳会に、見知った顔の方が・・・
追いつ追われつする度に言葉を交わすが、いや～元気な方だ！！
ラッセル中でもまったくあのキャラが変わらないのだから、たいしたもんである。

後発のＢの会の単独の方も追いついてきた。

樹林帯を抜ける手前で輪かんを履く。
尾根に載っている雪は、こんもりと、まるっこくマジパンのようでなんともおいしそう。

ラクダの背と呼ばれるところから、雪陵の雰囲気バッチリ。
来た道を振り返っても、進むべき道を仰いでも、この尾根の姿はうっとりするほどカッコイイのだ。

そのカッコよさ故、痩せて切り立った尾根上を幾度となく通過することにはなるのだが、風が強くないせいか、怖さは感じない。

悲しいことにこのあたりでだいぶバテてきている。

この尾根のカッコよさを充分堪能できるだけの余裕はまだあるが、先頭を行くラッセルしている人にさえも追いつけないのはなんとも情けないことである。

不覚にも今朝高度計を合わせて来なかったので、推定高度も分からないし、地形も雪のせいか前回の無雪期の時の記憶とかみ合わない。

なので、今どのあたりなのかさっぱり分からなかった。
不安である。
この尾根を登りきる余力があるだろうか。

そこへ、先で１本取りながら、私達を待っていた部長さんが｢もうあと１００メートル位登れば小屋に着く｣っと知らせてくれた。

やった！！

ザンゲ岩、もう過ぎていたんだ。

この時の私にとって｢あと１００メートル｣という言葉は、甘～い愛のささやきよりも心を酔わせた。
ウットリ。

っとは言っても、この先の１００メートルは遠く、そして長かった。それでも心に負担がない分、さほど辛さはなかった。

やっとこ小屋に着いた頃は、周辺はほぼホワイトアウト状態。

明日も荒れそうな天気なので、このまま小屋の周辺でテン場ると、下山できなくなる可能性もあるので、ある程度まで天神尾根を下り、尾根上の良さそうなところでテン場ることに決定。

下山開始まで、小屋の土間で暫し休憩をとる。

■天神尾根を下る

まさにホワイトアウトである。
下るべき尾根か見えない・・・

ちょっと戸惑ったりはしたが、うまく尾根にのれた。

リーダーのＫさんは｢ちょっと下ったところで｣なんて言っていたのに・・・

下る

下る

下る

いったいどこまで下るんだぁぁぁ～。

結局、熊穴沢の小屋まで下り、ここでテン場ることとなった。
まーここまで来れば、明日どんな悪天でも帰れるだろう・・・

この夜、吹雪いた割には気温は低くなく、快適に眠る事が出来た。

明日は天神平で雪訓・・・
天気はどうかな?

つづく

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2007年雪上訓練＠谷川岳 　雪訓の巻
雨の谷川岳　☆　待ち人は・・・

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　　　　　冬は眠い

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Comments

[投稿情報: べー]

写真が見るからに寒そうですよ。
こちらは4日間、天気が良くて、2400m付近で夜でも-15℃くらいでした。

ウールのバラクラバを使ったのですが、本当に暖かいですねー。

[投稿情報: Licca Channel]

■べーさん

私もウールのバラクラバ買いましたよ。
でも、この時こんなに荒れるとは思わなかったので、モンベルの化繊のやつ被ってました。おかげでホッペがかじかみました。