シンナソーとは、北秋川流域の沢の名前です。
正式な名称は “シンナソー沢” ではなく “シンナソー” だけでいいんです。
2007年9月8日(土)
・シンナソー(奥多摩 北秋川流域) 晴れ
・メンバー L:部長さん、SL:Tさん、Oさん、私
・行程 武蔵五日市→藤倉バス停→シンナソー→浅間尾根 一本松→浅間尾根登山口→拝島
・地図 コチラ
■台風がもたらしたもの
台風9号が首都圏を直撃し、奥多摩では469ミリもの雨が降ったそうだ。
その台風が残した爪痕は、思いのほか深かった。
まず、直面した問題はバス。
当初、武蔵五日市駅からバスで藤倉まで行く予定であったが、台風の影響で払沢の滝以西へのバスの運行はしていなかった。
幸い、タクシーに乗るには最適な人数だったため、タクシーを利用し入渓点である藤倉バス停まで行った。
途中車窓から見える景色から、奥多摩地区の被害の凄まじさを目の当たりにし、ちょっと怖気づく。
“沢、登れそうもないみたい・・・”
北秋川は依然として濁っていたし、流れも相当速そうに思えた。
しかしこの川を徒渉できなければ、シンナソーへは入れない。
まずは、この北秋川に下りるポイントを探した。
遡行図に記載してある「消防団の施設」はもうなかった。
川沿いの廃屋からは簡単に川原に下りれそうだが、そこから入渓点までの徒渉が困難そうなので、結局もう少し上流まで行き、ガードレールを支点にし、川原まで懸垂下降で降りた。
ここ北秋川の川幅はそれほど広くはないが、やはり渡渉には苦労した。
まず、部長さんが右岸の出合まで行きロープを木に架けてから戻って来た後、Tさんが渡渉するも、あまりの流れの速さに負け、戻ってきた。仕切り直しとして今度はTさん、Oさん、私の3人が並んで徒渉し、ようやく右岸にたどり着けた。
それほどうねっているわけでもないんだけど、水に入るとすごい圧力。
この程度でこの圧力・・・ってことは・・・やっぱり水って怖い。
■シンナソー遡行
入渓までに時間をだいぶ取られたが、その後は思いのほか順調に進んだように思える。
ここシンナソーの水は北秋川の濁った水とは打って変わって、既に澄んでいて美しく陽に照らされていた。川は上流や支流から回復してきているのだ。
それでも遡行中、台風の影響は随所で見られた。
やはり水量は平素よりもだいぶ多かったようだ。
通常だと水線を登れる滝であっても、この日はその激しい水量に阻まれ、巻くことを余儀なくされた滝もあった。
そして土砂、倒木、折れた枝が行く手を塞ぐこと度々で、そこを跨いだり、くぐったりするが、いちいちザックがひっかかったりして難儀でしかたない。
2度目の休憩から歩き始めたとき、水温が先ほどよりも冷たく感じた。それは源頭に近かったから。
その後すぐに目にした源頭は、土の中から勢いよく流れ落ちているようなダイナミックなもので、けっしてチョロチョロと滴るような微かなものではなかった。
ここの甘露水で喉を潤し、稜線までの急で滑りやすい斜面を詰めて行った。
台風のせいだろうか、青いどんぐりが沢山斜面に落ちていた。
■舌と耳へのご馳走
たどり着いた稜線は浅間尾根の一本松付近。
その後南斜面に付いている登山道に下りるべく、急な斜面を下る。
そして西に歩みを進め、浅間尾根登山口へと向かい、バス停手前の民宿 浅間坂
に寄り、お風呂とお蕎麦を頂くことにする。
お風呂に入る前に出てきたのがアイス抹茶と筍の煮物。
すごく感激!!
グググっと飲み干し、ガツガツと食べた。
出て来る言葉は美味いだけである。
その後お風呂で汗を流し、お蕎麦と刺身こんにゃくを頂くことにする。
そこでたまたま同席したのが、真空管のアンプを自作し、それでJAZZを聴くのをこよなく愛するおじ様お二人。
そして私はここ奥多摩の「民宿 浅間坂」で、生まれてはじめて真空管のアンプでの音を知ったのである。
うーん、深い。
うちにある小さなコンポとは大違いである。
沢のぼってガッツリ
お風呂上りでサッパリ
真空管のアンプでJAZZを聴いてマッタリ
至福の時間ってこういうひとときのことをいうんだろうな~♪
その後、そのおじ様にはずーずーしくも拝島駅まで送っていただいた。
ありがとうございました。
■思ったこと・・・
このシンナソーは私には身の丈に合った沢だったな。
それでも、滝を登るときには、水線に隠れたスタンスが見つけられずに、てこずった所もあった。
まだまだ課題はたくさんある。
それであっても、沢登りを満喫し、楽しい1日を過ごせた。
みなさん、ありがとうございました。
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次の日、その時に聴いたJohn・Coltraneの「STARDUST」をiTunes Storeで早速購入してしまった。
ホント感化されやすい性質なんだな~。
ここんところ天気悪いですね。週末の三連休が心配です。
おやすみなさい。
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