6月7日(木) PM
午後も引き続きガイドの木本哲さんに、クライミングを教えてもらう。
さ~て、いよいよ男岩に移動して、今日の本題に取り掛かる。
ドキドキ。
“3級だよ”っという返事。
“これで3級なんだ・・・”
4級位かなと思っていたのでちょっとガッカリ。
← [写真] この面のルートを3本攀じった(クリックでちょっとだけ拡大)
確保に関して
確保って一番難しい上に一番大切なことですね。
例え落ちる心配のない木本さんであっても、集中して確保しました。
“多分、問題ないんじゃないかな~”っと思ってはいるのは自分だけで、きっと沢山のアラがあっただろうな~っと思います。
“登っていいよ”の声・・・
ドキドキは頂点に達しました。
1本目・・・ここで一番簡単なルートなのであろう。そつなく攀じったつもり。
2本目・・・最後の最後でルートから外れて簡単なほうからフィニッシュ。
これには木本さんも苦笑い。
それでも“より簡単なルートを探すというのも才能の内だからいいんだよ”って言ってはくれたが、すかさず“でも、それじゃ上手くなれないよ”って・・・深く反省。
お腹が空いたので、ちょっと休憩・・・のはずが、いろいろと話し込んでしまった。
クライミングの基本は2点確保。
その為には、腕と足の筋肉の強さと、柔らかさが求められるのだそうだ。
この私、懸垂で自分の体を引き上げることもできないし、足もセルライトたっぷりで強くはないし、体だって柔らかいとはいえない。
こう考えてみると、どうも私はクライミングに不向きな者の代表みたいに思えてきた(哀)
そのハードルの高さにちょっと気落ちする私を木本さんは慰めるように
“80歳まで筋肉は発達するって医学的に証明されているんだから大丈夫だよ”って・・・やさしくフォローしてくれる。
いろいろ経験している人の話は面白いし、説得力が抜群。こんな皮肉れた私でさえも素直になってしまう。
さて
3本目・・・これまた最後の最後のところで“どうやってここ登るの~”なんて不安になったが、どうにか登れた(ホッ)
室内と違って、外岩はホールドへの指示がない。
なので攀じりながら、ホールド(スタンスも)を探さないといけない。
それは掴んだり、指先を引っ掛けられるところだけではなく、手のひらを岩にあてがって、腕を突っ張っらさせたりすることもある。
スタンスで言えば、フラットソールをべったりとツルツルの壁面に押しつけることでスタンスにしてしまう事もあるそうだ・・・
素人には想像もつかないスタンスとホールドを使って攀じる・・・それがセンスなのだろうな。
美しく攀じる為には頭とセンスが必要なのだ。
美しく攀じるか~
う~ん、私には縁遠いことですね。
だって私の攀じる姿は「スリラー」のゾンビみたいにガッチガッチな動きをしているだろうし、
その上1歩攀じる度に“ヨイショ” そしてまた“ヨイショ”なんて言ってるんですもの。
やっぱりクライミング時に口にする喘ぎは“ウォー” とかいう吼える系がお似合いですよね・・・・・・私はどんなことがあっても雄叫びなんかあげる気はありませんが・・・
流れるように攀じって、獣のように吼える・・・これをこの世界では美しいというのです・・・・・・たぶん
そんなことを考えていたからかどうか分かりませんが、空からは雷鳴と共に雨が降ってきた。
他のグループが撤収しているので、私達も帰るもんだと思いこんでいたのですが、木本さんがもう1本登ると言う。
4本目・・・最後にルートを右にそれてしまったらしく、行き詰ってしまった。
木本さんからは“左にいいのがあるよ”って教えてくれるが、どうしても左に行けない・・・とうとう泣きが入る。
雨も大粒、雷鳴も轟いているので、大チョンボをしてフィニッシュにしてしまった。
すごい罪悪感。
あの最後の1本・・・
なんで思い切って左にいけないんだろう。
あの時はあれで精一杯で、チョンボせざるを得なかったんだけど、今になって思えば、すごく恥ずかしいし、悔しいし、情けなさで一杯。
木本さんの“それじゃ上手くなれないよ”っという言葉が、何度も頭を廻る。
↑ [写真] この面のルートを1本攀じった(クリックでちょっとだけ拡大)
3級といえども、私はまだまだこの程度・・・(大チョンボしたため、ションボリ気味 + 雨に濡れていることもありかなり惨めな姿をしていたのではないか・・・まるで捨てられた子犬のように寂しげな眼差しをしていたかも クンクン)
正直な話、攀じってても怖さが心を占拠していて、楽しさを感じることができない。
スタンス・ホールド探して、ヌンチャク回収するのが精一杯・・・まるで親から離れてしまった崖っぷちでのバンビ (子豚という説もあり) のように怯えているのです ピーピー。
だからこそ練習の必要があるはずなのに、“楽しくない”っと言うことを理由に、ついつい足が遠のいてしまっているのだろう。
やっぱりそれじゃだめだな~。
もっと定期的に、室内とかゲレンデとかに行かなきゃ。(本当は室内よりも外岩が好き。)
この先、道は険しいそうだけど、幸い“もう懲り懲り”っとは思っていないので、こんな私でもグレード向上への道は開かれているんだ。
よーし頑張るぞ~。
っとはいっても私自身、フリーに傾倒するつもりはなく、あくまでもアルパインの為の練習のつもり。
なので今後も自分にあわせたペースで、ゆっくり・じっくり・確実に4級目指していこう。
その夜、木本さんからこの日に習ったことのまとめをメールで頂いた上、“3級程度は合格”のお墨付きまで頂いた。
ゲレンデはこれで4回目 (日和田子供岩、沖源次郎、三つ峠と今回) だけど、今回が一番得るものが多かったし、
いろいろと考えるところがあって有意義だった。
目標は
北鎌
源次郎尾根
第4バットレス
目標があるって幸せだ~
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このBlogで木本さんのことを言及する度に「寝癖がどーのこーの」って余計なことまで書いておりました。その件について御本人から弁明がありましたので、ここに記しておきます。
木本さん曰く「髪の毛が硬い上に、クセっ毛だから帽子かぶっただけでクセがついちゃうんだよ。でもまー寝癖ってときもあるけどね」っということです。
なのでみなさん、木本さんを見かけて、後頭部を見たら髪の毛がハネてたとしても、それは決して寝癖ではありませんから。
北鎌とバットレスは私も今年の夏の目標です。
お互いがんばりましょう!
私もⅢ級がやっとです。
Ⅳ級になるとA0、はたまたⅤ級ではA1になります(爆
投稿情報: オーロラ | 2007/06/11 21:15
>オーロラさん
オーロラさん、グレードを過少評価してませんか?
でも、そういう人のほうが案外“おぬしやるな”って印象を持たせるんですよ。
投稿情報: Licca Channel | 2007/06/11 21:27
いやいやほんとですよ。
と言ってもつづら岩と三つ峠にしか当てはまらないのですが。
ほかは行ったことないもんで・・・
投稿情報: オーロラ | 2007/06/11 22:11
私も関節が硬く綺麗に登ることができません。
ひさしぶりに室内でも行こうかしら、と思いました。
投稿情報: べー | 2007/06/12 02:26
ゲレンデⅢ級合格おめでとうございます! 余計なお世話承知で言えば、フォローなら源次郎はOK、第4バットレスとは「北岳バットレス第4尾根」のことと思うけど、ここも1回くらいのテンションでOK? 北鎌はしらん。 技術的にはOK(Ⅱ級+?)では? 問題は体力でしょう。今年ワシも行ってみます、湯俣から。 前穂北尾根は行ったんだっけ? まだなら是非どーぞ! ここはあまり体力いらないかんね、「バンビ (子豚という説もあり)」ちゃんにお勧めよ。 2点確保=対角線バランスを取る登り・・・のことと思うけど、この練習には室内ジムがうってつけ。 アルパインの人は皆室内嫌いだと思うけど、ムーブを練習するにはヤッパ良いと思う。 ナカムラさん共々岩場でお会いしましょう。 四尾根A0でリードしてる人がいたら、それはワシですぅ。
投稿情報: A0クライマーOPANDA | 2007/06/12 08:10
>オーロラさん
オーロラさんの頑張りよう見てて、とても刺激になっています。
うれしくもオーロラさんとかぶっている目標もあるし・・・私、なんかやる気になってきた。
投稿情報: Licca Channel | 2007/06/12 12:37
>べーさん
あのジムの雰囲気って独特で、どうもなじめません。
なので居場所がなくて、いっつも浮いてます。
室内いくなら、なるべく人のいないさびれているジムがいいです。
それなら、下手なうえ、根性なくてすぐ諦めてしまうところを、人に見られないですみますから。
投稿情報: Licca Channel | 2007/06/12 12:43
>A0クライマーOPANDAさん
ヌリカベさんが源次郎でヘトヘトだったって話してた。
やっぱ体力か~。これが問題だな。
前穂北尾根いいな~。目標に入れちゃおう。初めて涸沢行った時、北尾根に心射抜かれました。あまりにもカッコよくて。
投稿情報: Licca Channel | 2007/06/12 12:50
源次郎尾根:コレくらい行けないようでは木本さん独り占めする意味がない。 頑張り玉恵!
前穂北尾根:快晴の北尾根、ラストのクライムダウンは前穂山頂のギャラリーの心射抜きます
投稿情報: A0クライマーOPANDA | 2007/06/12 16:28
>A0クライマーOPANDAさん
その言葉・・・痛いな。
投稿情報: Licca Channel | 2007/06/12 17:24
日和田の男岩、むか~し通いました。
どんなルートだったかちっとも覚えてませんが(獏)
>流れるように攀じって、獣のように吼える・・・
僕も「獣のように吼える」はできないな、そういうキャラじゃないので(笑)
dでも「流れるような美しいライン」は目指したいと思いますが。
外岩、室内またやるかな~。
最近、Liccaさんやオーロラさんに影響受けまくりです。
でも親子登山、沢登り、山スキー、単独縦走、トレイルラン、とやりたい分野が多すぎて色々忙しい!
会社の仕事もそうなのだけど、専門分野を極めるのではなく、広く浅くいろんな分野を齧るプレーヤーが僕の性分にあってるみたい。
投稿情報: じゅん | 2007/06/12 23:48
>じゅんさん
> 最近、Liccaさんやオーロラさんに影響受けまくりです。
じゅんさんは妻子ある身だからあまり危ないことはやらない方がいいかも…
岩はやっぱり危険ですね~
ゲレンデでもこの前落石を頭にくらいました。
知り合いもゲレンデで落っこちて腰の骨を折り、
数年経っても後遺症が残っていまだににぶい痛みが常にあり、足ひきずって歩いてますよ。
落ちたとこはそれほど難しいルートじゃないらしいです。
ご家族のためにも室内だけにしといてあげた方が…
まあ、室内もけっして安全とは言えませんが…
と、おせっかいにもちょっと心配してます。
> Licca Channelさん
室内の雰囲気は独特ですが、私は最近すっかり慣れてヘタクソでも1人でも行けるようになりました。
要は慣れだと思いますよ。
投稿情報: オーロラ | 2007/06/13 01:38
>じゅんさん
是非、岩のてっぺんで雄叫びあげてくださいよ・・・・っと薦めておいて、私はさっと引きますが。
やっぱり人間は社会生活においていろいろな制約を受けるのが当たり前で、それをやりくりしながら好きなことをする・・・だからこそ楽しいんだと思います。
宝くじ当たって、仕事もせずに、山ばっかり行ってたら、きっと飽きてくる、っと私は思うのですが。
影響受けあうのっていいですよね。
私はそれで力をもらっています。
投稿情報: Licca Channel | 2007/06/13 13:36
>オーロラさん
私はこの前、攀じってる最中、岩にゴッツンしました。メットがなかったら、流血でしたよ。
やっぱり岩で落っこちるのって、懸垂下降時か、ビレーヤーの問題ででしょうか?
横浜にさびれたジム(差し押さえになったって噂も聞く)があるので、勇気だして行ってみようかな。
投稿情報: Licca Channel | 2007/06/13 13:43
源次郎はOPANDAさんの言うように、「これくい行けなければ・・・」とまでは言いませんが、思ったより敷居は高くないかもしれません。私なんぞでも、ガイドなしでたかちゃんと二人で登れたくらいなので(懸垂下降以外はまったくロープ出しませんでした)、ちゃんとしたルートファインディングさえできれば初級者には手の届く範囲なのかなぁ・・・という感じでした。美しく攀じる・・・私も程遠いです。ナマケモノのようになんの抵抗も感じさせない攀じりができるようになりたいものです。
投稿情報: もっち | 2007/06/13 20:23
>もっち
ぬりかべさんは「ヨレヨレだったよ」って言うし
☆さんは「あそこは普通の尾根だ」って言うし
もっちは「敷居は高くない」っと言う
opandaさんは「源次郎くらい行けないようでは・・・」なんて嫌味言うし
何がなんだか分からないので、もう、自分しか信じません・・・
いろいろ忙しそうだけど、お楽しみが待っているんだから、頑張ってね。
投稿情報: Licca Channel | 2007/06/14 14:05